研究機器
Equipment
機器紹介
本研究室で使用できる研究機器には,実車を用いたドライビングシミュレータ(DS)や歩行者シミュレータをはじめ,心電計測器や視線計測器,近赤外カメラなど実にたくさんのものがあります.
シミュレータ関連
私たちの研究室では,ドライバのデータを収集・解析するためにDSを使用しています.DSは現在4台あり,用途に応じて使い分けています.
実車型DS「iQ」
iQは4代目のDSです.研究室のメンバーからは「アイキュー」と呼ばれています.車両そのものがシミュレータになっており,実際に近い形で運転することができます.筐体を囲むようにスクリーンが設置されているため,360度の走行風景を運転手に与えることができます.iQを使って漫然運転や居眠り運転やヒヤリハットを予防する研究などが行われています.
実車型DS「Abemo」
Abemoは2代目のDSです.「アベモ」と呼ばれており,漫然運転や居眠り運転を予防する研究などがこれまでに行われてきました.iQとは異なり,運転席部分以外が開けているため,さまざまな外部機器を使用できます.さらに,iQと連動することで同一空間を走行することもできます.これにより,他車が関与するようなシーンでの実験も可能になります.
実映像型DS「ATME」
ATMEは研究室で開発したDSです.このDSは実映像を用いています.実映像を用いることでより臨場感の高い状態で運転をすることができると考えています.この機器を用いて,高齢者の運転の特徴や傾向を見つけます.高齢ドライバの交通事故低減に向けて,運転の特徴からより安全な運転をできるようなトレーニング方法を考えています.
遠隔運転再現型DS
遠隔運転環境を再現したDSです.操作や映像に遅延を付加できるため,遠隔運転の環境を模擬した実験が行えます.この機器を用いて,遠隔運転ならではの難しさや運転の特徴,傾向を見つけます.現在は実車を用いた練習までの通過点として,ドライバが自信を持てるようなトレーニング方法を考えています.
生体関連
私たちの研究室では,人の様々な状態を推定するために生体信号を使用しています.研究室には,計測のための機器が数多くあります.
NIRS
NIRSは近赤外光を脳の血管に照射し,その反射光を計測することで脳血流の変化を取得する装置です.脳血流の変化を取得することで,脳がどういった働きをしているのかを見ることができます.写真を見る,運転する,計算するといった頭を使う課題を与えることで脳のどの部分がどのように活動しているかを調べます.ドライビングシミュレータとNIRSの2つの機器を用いることで運転中の脳活動を計測しています.
血圧計測機器
この装置は,カフを腕に装着することにより,血圧を計測することができます.カフ式血圧計は,様々な実験における被験者の血圧変化を計測する際に使用します.健康診断で使用するような1回計測を行うものから,24時間一定時間おきに計測を行うものまでさまざまな機器を使用しています.また,これまで小栗河中研究室では様々な環境や状態における血圧の推定に,脈波を用いて取り組んできています.
FX3,FOVIO
この装置は,眼情報を計測する装置です.照射される赤外線により,瞳孔径や視線の動きを計測します.この装置を使って,居眠り運転や漫然運転時の眼情報にどのような傾向があるのかを計測します.
Polymate
これは筋電や脳波,心電などの生体信号を計測することができます.この装置を使うことで,複数の生体信号を同時に計測することができ,運転中のドライバの生体信号にどのような変化があるかを解析します.例えば,ドライビングシミュレータの運転時に,この装置を使って脳波を計測し,刺激を与えた際の変化を脳波波形を解析することで捉えます.
排尿量推定機器
排尿量を推定する場合,実際の排尿を用いて実験することは難しいです.そこで,私たちの研究室では,トイレに向けて注射器を用いて放水することで,排尿を模擬しています.この方法により,液体流量の正解値を定め,精度評価を行っています.