概要

研究機関

愛知県立大学

研究代表者

河中治樹 愛知県立大学 情報科学部 准教授

研究分担者

小栗宏次 愛知県立大学 情報科学部 教授
雨宮 歩 千葉大学 大学院看護学研究科 講師

研究開始時の研究の概要

従来の重量式尿流量計は高価である上に自然な排尿状態での尿流量計測を実現しにくいため利用に問題がある.
また,検査用カップを利用した採尿そのものの手間や院内感染などのリスクに加え,利用する患者の尊厳を傷つけるなどの問題点が医療現場では指摘されている.
そこで,本研究は泌尿器系の治療や診断に役立てるための画像による手軽な尿流計測(uroflowmetry)の実現を目的とし,患者の満足度(QOL)の向上を目指す.
新型コロナウイルスの影響で延期した2021年度に行う予定であった実排尿データの計測を,千葉大学の雨宮歩教授の協力のもと2022年に実施した.
そのデータベースを公開する.

データベース

撮影は,RaspberryPiの広角カメラモジュールを用いた.
排尿を行う性器が男性器と女性器で尿の軌道に差があり,一つのカメラでは両方の軌道をうまく撮影できないため,カメラを二つ用いた.
また,カメラを設置する位置を確保するために補高便座を用いた.

排尿量の推定を行うにあたって,千葉大学にて実排尿の映像データをとった.
二つのカメラで撮影し,計72本の動画を撮影したが排尿がうまく取れていない動画があったため,実験では以下の33本の動画を用いた.
それぞれの被験者の年齢,性別,排尿前後の体重(10の位除く),ユーリパンを用いて計測した尿の重さを示す.
局部の位置は上記の写真のそれぞれの色のテープが張ってある場所である.

sub.回数時刻性別年齢排尿前の体重[kg]排尿後の体重[kg]尿の重さ[g]局部位置
1.115:17309.319.2662
1.218:13309.549.18361
1.314:44309.499.4090
1.411:48308.928.62298
1.513:18309.058.91136
1.614:37308.928.81106
1.710:56308.388.25121
2.119:07415.225.00220
3.117:56261.981.76220
3.215:08262.452.33135
3.313:23263.032.86165
3.411:32261.741.52221
8.116:22230.160.06109
8.211:33239.479.33139
8.39:39230.320.2488
9.116:46419.859.71160
9.214:58419.719.51198
9.313:32410.180.1536
9.49:59419.369.10253
11.117:27413.282.69613
15.114:2547.487.3899
16.111:23680.140.0488
17.111:10443.153.00146
4.114:18463.643.46173
5.114:51211.331.06257
5.216:10211.621.38239
5.312:46211.621.39235
6.110:45214.674.6338
12.113:47476.145.81328
12.211:25477.016.77231
13.118:58221.611.25353
13.215:34220.250.1397
13.314:25221.671.5897

また,それぞれの被験者の情報を以下にまとめる.